関節が腫れたり、傷んだり、熱を持ったり・・・
回帰性リウマチとは?
皆さんの中に、関節が腫れたり治ったりを繰り返す方はいませんか?
これは回帰性リウマチの可能性があります。
回帰性リウマチは周期的に関節が腫れたり、痛んだり、熱を持ったり、赤くなったりする病気です。
回帰性リウマチは、完全に治る人と、関節リウマチに移行する人がいます。
回帰性リウマチの好発年齢は20歳代から50歳代まで広く含み、男女差はありません。
なのでおかしいなと思ったら早めに受診することをおすすめします。
症状は?
典型的な症状は、関節の痛み、腫れ、赤み、熱などです。
症状は一過性で、数日から1週間程度で消失し、発作のない時期が数日から数ヶ月続きます。
発作の頻度は年に何回かありますが発作の間隔は一定していません。
発作時に微熱を伴う場合もあります。
突然発症し、通常は1つの関節に炎症が起きます(単関節炎といいます)。
回帰性リウマチの10%前後は自然に治癒しますが、約30%は典型的な関節リウマチに、また、少数例では全身性エリテマトーデスなどの他の膠原病に移行し、残りの患者さんは長年発作を繰り返すものの、そのまま経過するとされています。
30%前後に関節リウマチに移行したとの報告が多く見られるために、慎重な経過観察が必要です。
回帰性リウマチでは発作の時間が短い割に痛みが強いことが特徴的とされています。関節症状は、指の関節、手、膝、肩、足の順で多いと言われています。
診断は?
回帰性リウマチは、診断基準は存在しませんが、特徴的な臨床症状や、レントゲン所見が正常であること(関節リウマチではない)に加えて、感染、痛風、偽痛風などの他疾患を除外することによって診断されます。
回帰性リウマチでは、関節リウマチのような関節の骨破壊が生じないため、関節レントゲン上、特に異常はみられません。
検査所見は?
回帰性リウマチ患者の約50%は発作時にリウマトイド因子が陽性です。
また、一過性の白血球増多、赤沈亢進、CRPの上昇など炎症反応性パラメータの上昇がみられることがありますが、そうではない場合もあります。
リウマトイド因子が陽性場合、発作の程度および頻度が重症であることが多く、リウマトイド因子が陰性の患者さんと比較して関節リウマチに移行しやすいとする報告があります。
回帰性リウマチの症状は全身性エリテマトーデス(SLE)に類似しますが、SLEで陽性となる抗核抗体や補体値が正常範囲であることから、血液検査で全身性エリテマトーデスとは区別することが出来ます。
治療は?
1.非ステロイド性消炎鎮痛薬
発作時には非ステロイド性消炎鎮痛薬がある程度は有効であることが知られています。
2.ステロイド薬
ステロイド内服も症例によっては有効です。しかし発作が短期間であること、関節破壊が見られないことなどから、当院ではステロイド内服の適応はごく一部に制限されます。
動かしていいの?
関節に炎症があり、痛みや腫れが強い時は、無理に動かしたり負荷をかけたりすると炎症が悪化することがあります。
しかし、身体を動かさないでいると、筋力が低下する上に、関節が動きにくくなったり動かせる範囲が狭くなったりしますので、過度な負荷を避けながら、適度に動かすことが大切です。
当院では院長や理学療法士が運動の程度を指導してくれますので、気になる時はご相談ください。
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