みなさんこんにちは。 院長の屋良です^^
当院には肘の痛みで来院される患者さんが多くいますが、その中の多くの方が、物を持ったりしたときに肘の外側に痛みを訴えます。
そういう患者さんの多くが、「テニス肘」という病気の場合があります!
テニス肘とは?
テニス肘とは、肘の外側から前腕にかけて痛みが起こる症状のこと。正式には「上腕骨外上顆炎」という肘の病気です。
テニス愛好家に多い症状であることから、通称「テニス肘」と呼ばれていますが、実際にはスポーツ以外の仕事や日常の動作が原因で発症する場合も少なくありません。
症状が進行するとコップが持てないほどの強い痛みを伴うこともあり、日常生活にも大きな支障をきたすようになります。
テニス肘の症状は?
テニス肘は、「手首を反らせる」「指を伸ばす」いうような手首を使った動作を行った時に肘の外側に痛みが起こるのが大きな特徴です。
日常生活では、「物をつかんで持ち上げる」「フライパンを持つ」「ドアノブを回す」「タオルを絞る」「キーボードを打つ」などの動作をしたときに強い痛みを感じます。
これらは手首や指を使うときに使用する筋肉(腱)に炎症が起きることが原因で、手を酷使すると症状は悪化します・・
どういう人に起きやすい?
1・手を使うスポーツをする人
テニスをする人におきやすいのですが、テニス以外にも、バドミントン、ゴルフ、卓球などの手を酷使するスポーツを行う方にも多く見られます。
テニス肘は「スポーツ障害」の一つと考えられています。
なので慢性化させないために適切な治療が必要なのです。
2・腕に負担がかかる職業
スポーツ以外に、重い荷物を運ぶ方や、料理人、大工などの手首を良く使う仕事が原因で発症するケースもあります。
「重いものを持ち上げる」「重い鍋やフライパンを振る」など、日常的に腕に負担のかかる動作を繰り返し行うことで、肘に慢性的な疲労がたまり、腱の炎症が起こります。
また、性別に関係なく発症しますが、女性は筋力が弱いことや、家事などで腕を使う動作が多いことから、中高年の主婦の方に多く見られます。
テニス肘の予防
テニス肘の予防には、手を使い過ぎないということが一番ですが、ストレッチをしっかり行う事が大事です。
ストレッチはテニス肘の予防だけでなく、痛みの緩和にも効果があります。
「15秒間、肘をピンと伸ばした状態で手首を曲げる、さらに15秒間、そのまま手首を外側にひねる」
「その後30秒間リラックスする」
というストレッチを数回繰り返すと良いでしょう。特に血行の良いお風呂上がりなどが効果的です。
<①まずは肘を伸ばして・・>
<②肘を伸ばしたまま手首を曲げます。 肘はのばしたまま >
<③さらに手首を外にひねります。すこしだけ痛いくらいで>
テニス肘の治療
治療法として、内服薬、湿布、注射、リハビリ訓練(温熱療法)などがあります。
1・注射
非常に強い痛みがあり、日常生活の支障が大きい場合にはステロイド注射による治療が効果的です。
痛みのある肘の部分に注射をすると、翌日にはかなり痛みが改善し、そのまま1~2ヵ月程度は鎮痛効果が持続するのがメリットです。
その間も温熱療法やストレッチなどの理学療法を並行して行うことで根本的な症状改善を目指すこともできます。
2.理学療法
慢性化したテニス肘の場合は、温熱療法、理学療法士によるストレッチやコンディションの調整などの理学療法を行います。
リハビリテーションにはステロイド注射のような即効性はありませんが、海外の論文には、長期的に見るとリハビリによる治療が最も効果が高いという報告があります。
いずれにせよ、日常生活で腕が痛いというのは大きなストレスになります。放っておくと慢性化してなかなか治らない場合もありますので、気になる方はいつでもご相談ください。