1・減量、運動療法(ストレッチ、筋力トレーニング)といった、日常生活上の注意
まずはこれが大事です。
前回の変形性膝関節症発生のメカニズムでもお話したように、加齢や運動不足、肥満などにより、膝の内側の筋肉が弱ってくることが、発症の第一歩となります。
なので日常生活上の注意点をしっかりと考え、減量、ストレッチなどを行うことが大事です。
2・リハビリにて膝周囲のコンディションを整える 温熱療法など
当院では変形性ひざ関節症に対し、リハビリ訓練を行っています。
膝の状態を整え、曲げ伸ばしができるようにすること、筋力をつけることはもちろん大事ですが、膝だけでなく体全体のバランスを整えることも大事になります。
また、低周波、ホットパック、ウォーターベッドなどを組み合わせて患者さんにあった治療も行っています。
3・薬物療法
まずは鎮痛薬の内服や湿布などが大事になります。
これによって炎症を取り、腫れや熱をひかせます。しかしお薬を飲みたくない患者さんにはなるだけ他の方法を選択するようにしています。
コンドロイチンやコラーゲンなどのサプリメントを好まれる方もいますが、効果はまだ科学的に証明されておらず、現在のところ効果がないというのが現状です。
4・関節内注射
ヒアルロン酸やステロイドの注射を行っています。
最近の研究では、ヒアルロン酸注射が明らかに膝の変形を抑制することが証明されています。膝が変形していくことを抑える、数少ない治療法の一つです。
その他に痛みが強いときは、安全な量のステロイド剤を注射することで、かなりの鎮痛効果があります。
当院では非常に細い針を用いて注射しますので、痛みは非常に軽いと思います!
5・装具療法(サポーターや足底板など)
現在装具治療に関しては、明らかな鎮痛効果や病状の進行抑制などの証明はなされておりませんが、足底板で痛みが軽減する方は多くいます。
このような方法でしっかり治療をしたけれどどうしても治らない場合は手術治療となります。
次回は手術治療についても少しお話します。