皆さん、こんにちは!やら整形外科理学療法士の今村です😄
最近、「階段の上り下りがしんどくなってきたなぁ…」「昔に比べて、どうも体が弱くなった気がする…」と感じることはありませんか?
年を重ねると、どうしても筋肉量は減ってしまうもの。これは自然な体の変化ですが、筋力が低下すると、日常生活が不便になるだけでなく、健康で長生きできる「健康寿命」を縮めてしまう可能性もあるんです。
でも、決して諦める必要はありません!
実は、多くの研究で、シニア世代の皆さんにこそ、筋力トレーニングがとっても有効であることが証明されているんです。
今回は、科学的な根拠(エビデンス)に基づいた、シニア向けの筋力トレーニングの効果と、安全に取り組むための大切なポイントをお伝えします。
◎なぜシニアに筋力トレーニングが大切なの?【エビデンスが教えてくれること】
たくさんの研究によって、シニアの皆さんが筋力トレーニングを行うことで、本当に様々な良い効果が得られることが分かっています。特に大切なものをまとめました。
* 筋力アップは基本!筋肉量も増えます: これは一番直接的な効果で、多くの研究で確認されています。筋トレを続けることで、年齢とともに減りやすい筋肉をしっかりと増やし、維持することができるんです ([参考文献1]など)。
* 歩く、立つ、座る…毎日の動作が楽に: 筋力が上がると、歩くスピードが速くなったり、バランス感覚が良くなったり、立ち上がりが楽になったりと、日常生活に必要な体の動きがスムーズになります。転びにくくなるので、安心して活動的な生活を送るための土台になりますね ([参考文献2]など)。
* 生活習慣病の予防にも: 筋力トレーニングは、血糖値のコントロール、血圧の安定、脂質代謝の改善など、生活習慣病の予防や改善にも役立つことが示されています ([参考文献3]など)。
* 骨を丈夫に!骨粗鬆症対策にも: シニア世代に多い骨粗鬆症ですが、筋力トレーニングは骨に良い刺激を与え、骨の密度を維持したり、高めたりする効果が期待できるんです ([参考文献4]など)。
* 頭の働きもシャープに: 近年の研究では、筋力トレーニングが脳の機能にも良い影響を与え、記憶力や判断力といった認知機能の維持や改善に役立つ可能性も示唆されています ([参考文献5]など)。
* 心も元気になります: 筋力トレーニングは、憂うつな気分を軽くしたり、生活の満足度を高めたりする効果も報告されています。体を動かすことで、気分転換にもなりますし、達成感が自信につながることもあります ([参考文献6]など)。
◎安全に、そして効果的に行うための大切なポイント
筋力トレーニングは、正しい方法で行うことが何よりも重要です。シニアの皆さんが安全に、そして効果的にトレーニングに取り組むためのポイントを丁寧にお伝えします。
* まずは無理のない負荷から: 最初から重すぎるものを持つと、ケガのリスクが高まります。自分の体重を利用したり、軽いダンベルやチューブなどを使って、無理のない範囲から始めましょう。
* 正しいフォームが一番大事: 間違ったフォームで行うと、効果が出にくいだけでなく、関節や筋肉を痛めてしまう原因になります。最初は専門家(理学療法士やトレーニング指導者など)に教えてもらうのが安心です。当院でも、リハビリテーション科のスタッフが丁寧に指導させていただきます。
* ゆっくりとした動きを意識: 筋肉にしっかりと力を加えるためには、動作をゆっくりと行うことが大切です。反動を使わず、意識して筋肉を動かしましょう。
* 呼吸は止めずに: 力むときに息を吐き、力を抜くときに息を吸うのが基本です。呼吸を止めると血圧が上がりやすくなるので注意してください。
* 休息もトレーニングのうち: 筋肉は、トレーニングで少し傷つき、休んでいる間に回復して強くなります。週に2〜3回程度の頻度で、トレーニングの間にしっかりと休息日を設けましょう。
* 準備運動と整理運動は忘れずに: トレーニング前後のストレッチや軽い運動は、ケガの予防と疲労回復にとても役立ちます。
* 水分補給も忘れずに: トレーニング中は汗をかくので、こまめに水分を補給してください。
* 体調が悪いときは勇気を出して休む: 無理に行うとかえって体に良くないこともあります。体調が優れないときは、思い切って休息することも大切です。
* 持病がある方は必ず医師に相談: 高血圧や心臓病などの持病をお持ちの方は、必ず事前にかかりつけ医に相談し、運動の許可を得てからトレーニングを始めてください。もちろん、当院にご相談いただくことも可能です。
◎ご自宅で気軽にできる!おすすめ筋力トレーニングメニュー例
ここでは、ご自宅で比較的簡単にできる筋力トレーニングのメニュー例をご紹介します。ご自身の体力に合わせて、回数やセット数を調整してくださいね。
* スクワット: 太ももやお尻の筋肉を鍛えます。椅子に腰かけるようなイメージで、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
* ヒップリフト: お尻の筋肉を鍛えます。仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げます。
* カーフレイズ: ふくらはぎの筋肉を鍛えます。壁などに手をつきながら、かかとをゆっくりと上げ下げします。
* 腕立て伏せ(膝つき): 胸や腕の筋肉を鍛えます。通常の腕立て伏せが難しい場合は、膝をついた状態で行いましょう。
* プランク: お腹周りの筋肉(体幹)を鍛えます。うつ伏せになり、肘とつま先で体を支えます。無理のない時間から始めましょう。
* チューブトレーニング: ゴムチューブを使うと、様々な部位の筋肉を効果的に鍛えられます。
ポイント: 各エクササイズ10〜15回を1〜2セットから始め、慣れてきたら少しずつ回数やセット数を増やしていくと良いでしょう。
◎追加のメッセージ
シニア世代の皆さんにとって、筋力トレーニングは単に体を鍛えるだけでなく、健康寿命を延ばし、より豊かな人生を送るための大切な手段です。
科学的な根拠に基づいた正しい知識を持ち、安全に続けることで、きっとその効果を実感していただけると信じています。
この記事を読んで、「よし、ちょっとやってみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
もし運動に不安がある場合は、いつでも当院にご相談ください。
リハビリテーション科の専門スタッフが、皆さんの状態に合わせて丁寧にサポートさせていただきます。一緒に、いつまでも元気で過ごせる体づくりを目指しましょう!
【参考文献】
* [参考文献1] (例: Charette SL, et al. Increase in upper-body strength in elderly women after 13 weeks of resistance training. J Am Geriatr Soc. 1991;39(12):1207-1211.)
* [参考文献2] (例: Fiatarone MA, et al. High-intensity strength training in nonagenarians. Effects on skeletal muscle. JAMA. 1990;263(23):3029-3034.)
* [参考文献3] (例: Dunstan DW, et al. The effects of resistance training on glycemic control in patients with type 2 diabetes: a systematic review. Diabetes Care. 2003;26(6):1727-1733.)
* [参考文献4] (例: Nelson ME, et al. Effects of high-intensity strength training on multiple risk factors for osteoporotic fractures. A randomized controlled trial. JAMA. 1994;272(24):1909-1914.)
* [参考文献5] (例: Mavros Y, et al. Resistance training and the brain: A systematic review. Neurosci Biobehav Rev. 2017;78:25-41.)
* [参考文献6] (例: Singh MA, et al. A randomized controlled trial of high-intensity progressive resistance training for the treatment of depression in older adults. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001;56(3):M109-M116.)
※注意: 上記の参考文献はあくまで例であり、実際のエビデンスを示すものではありません。
やら整形外科のホームページはこちら
やら整形外科の予約はこちら
やら整形外科
〒811-1102 福岡県福岡市早良区東入部6丁目26−4
092-707-5056
お気軽にご相談ください。