骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

骨密度が低下したり劣化することで、骨の強度が低下し骨が弱くなって骨折しやすくなったりする病気を「骨粗しょう症」と言います。
健康な骨は、骨の強度が保たれていますが、骨粗しょう症になると、骨の内部が細くなったり弱くなって、スカスカになってしまうのです。
骨粗しょう症が進行すると、ちょっと転んだり、くしゃみをするなどのわずかな衝撃で骨折してしまうこともあります(いつの間にか骨折)。
特にご高齢の方は、骨折してしまうと寝たきりになってしまう可能性があり、その後の生活に大きな影響を与えてしまいます。
骨粗しょう症

このような症状はありませんか?

□以前より身長が縮んできた
□背中や腰が丸くなってきた
□背中や腰に痛みを感じる
□お腹がすぐにいっぱいになる
□息切れがする
このような症状がある場合、骨粗しょう症の可能性があります。

「いつの間にか骨折」とは?

さらに、骨粗しょう症になると、「いつの間にか骨折」を起こす可能性があります。
いつの間にか骨折とは、背骨や腰骨がいつの間にか折れてしまう病気で、その原因として一番多いのは骨粗しょう症です。
最近のコロナ自粛で自宅でじーっとしていると、背中が曲がってきたり、腰の痛みが出てきたという方もいらっしゃるかもしれません。
「いつの間にか骨折」は気づかないうちに背骨が折れている状態で、異変に気付かず放置していると骨折の連鎖が起きて次々に骨折を引き起こします。
最新の研究では、背骨の骨折が1つでもあると8.6倍死亡率が高くなる!と言われています。
「いつの間にか骨折」を未然に防ぐことは、明るく元気な人生を送るうえで本当に大事になってきます。

骨粗しょう症の原因

骨の新陳代謝のバランス

私たちの体内では、「破骨(はこつ)細胞」によって古い骨が溶かされる「骨吸収」と、「骨芽(こつが)細胞」によって新しい骨が作られる「骨形成」を繰り返しながら、健康な骨として保たれています。
この骨の新陳代謝のバランスが崩れてしまい、「骨形成」より「骨吸収」が上回り足りなくなると、骨の量が減ってしまいます。

閉経後の女性ホルモンの低下

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨吸収を抑え骨からカルシウムが溶け出さないようにする働きがあります。そのため、閉経後エストロゲンの分泌が低下すると、骨密度も急激に低下し骨粗しょう症のリスクが高まります。
女性の骨量は、30歳頃をピークにそれ以降はどんどん低下していきます。特に65歳以上の女性は骨密度が下がりやすいので、定期的な検査を受けることをおすすめします。

乱れた生活習慣

無理なダイエット、運動不足、喫煙や過度な飲酒などの乱れた生活習慣のある人は、骨粗しょう症のリスクが高くなります。体内のカルシウムは、99%が骨の中に、残り1%は血液中に存在します。カルシウムが不足すると、骨の中のカルシウムが血液中に溶け出されて補おうとするので、骨の量が減ってしまうのです。また、生活習慣病のある人は、コラーゲンが減少しやすく骨質の低下に繋がりやすいと考えられています。

特定の病気や薬の副作用

糖尿病などの生活習慣病や、関節リウマチ、内分泌疾患などの病気や、ステロイド剤の長期服用が原因で、骨粗しょう症を発症してしまう人もいます。骨の代謝に影響を及ぼすホルモン不足や、細胞の異常などが起こるためと考えられています。

検査法は?

骨粗しょう症のガイドラインによると、最も信頼される骨密度検査は、腰椎と大腿骨をDXAという検査(レントゲン検査のようなもの)で計測することとなります。
骨密度検査でYAMという値が70%未満だと、骨粗しょう症と診断されます。 また、脊椎圧迫骨折または大腿骨頚部骨折の既往がある方も骨粗しょう症と診断します。
骨粗しょう症
DXA法とは、2種類のエックス線を用いて骨量を測定する方法で、現在最も正確に骨量を測定することができると言われています。主に、腰椎や大腿骨の骨密度を測定します。また、患者さんの状態に合わせて血液検査や尿検査を行うこともあります。骨代謝マーカーにより骨の新陳代謝を評価し、骨粗しょう症やその他の疾患でないかの診断と治療法の選択のために用います。

治療法は?

食事療法

カルシウムは骨を造っている栄養素で、骨粗しょう症の予防や治療に欠かせません。 その他にも、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨を造るのに重要なビタミンKを多く含む食品を摂ることも大切です。
逆に少し控えた方が良い食品として、加工食品や食塩、カフェイン、アルコールなどがあげられます。

運動療法

無理な筋トレなどは必要ありません。まずはストレッチや軽いジョギングなどからはじめてみて下さい。
「適度な運動、適度に日光を浴びること」がとても大事になってきます。 

薬物療法

薬は、内服薬や注射薬があり、骨粗しょう症のタイプにより最適なものを選択する必要があります。基本的に重篤な副作用はありませんので、安心して継続でき、さらに最近は非常に効果のある薬がたくさんあります。ビタミン剤から女性ホルモンのような薬、さらに骨が壊れにくくする薬や骨ができやすくする薬などさまざまです。
患者さんによって合う薬がありますので、いつでもご相談ください。 

当クリニックの骨粗しょう症治療の特徴

当クリニックが骨粗しょう症治療を自信をもっておすすめするのは、次の3つの理由があります。 
・最も信頼性の高い、「腰椎・大腿部骨密度検査(DXA)」による測定をしている。
・血液検査の結果からの患者さんのタイプ別による治療計画を提供できる。
・骨粗しょう症治療の実績を持つ「整形外科専門医」による、運動機能改善を含めた治療。

料金について

初診診察+骨密度検査(DXA)+処方箋→3割負担:約2,400円 1割負担:約800円
再診+処方箋料→3割負担:約580円 1割負担:約190円 
早めの治療がその人の人生を変える場合があります。
なにかご不明の方はいつでもご相談ください!