頑固な肩こりに対するハイドロリリース治療について
日本人の多くが抱える「肩こり」という悩み。厚生労働省の国民生活基礎調査でも、女性では第1位、男性でも第2位にランクインするほど、私たちは日常的にこの不快感と向き合っています。
しかし、その多くが「体質だから」「仕事柄仕方ない」と諦めてしまっているのが現状です。
本稿では、最新の知見に基づいた「ハイドロリリース」という革新的な治療法を中心に、肩こりを根本から解決するための道筋を解説します。

1.コリや痛みを解消するために、本当に必要なこと
「肩が凝ったからマッサージに行く」。これは多くの人が最初にとる行動です。確かに、一時的に筋肉がほぐれて気持ちよさは得られるでしょう。しかし、数日も経てば元の状態に戻ってしまう……そんな経験はありませんか?
コリや痛みを根本から解消するために本当に必要なのは、単に表面の筋肉を揉みほぐすことではなく、「痛みの発生源」がどこにあり、なぜそこに負担がかかっているのかというメカニズムを解明し、物理的に修復することです。
近年、肩こりの大きな原因として注目されているのが**「筋膜(きんまく)」**の癒着です。筋肉は「筋膜」という薄い膜に包まれており、本来はこの膜同士が滑らかに滑り合うことでスムーズな動きを可能にしています。しかし、長時間の同じ姿勢や過度なストレスによって、この筋膜が厚くなったり、周囲の組織と癒着(くっついてしまうこと)したりします。
この「癒着した部分」こそが、血管や神経を圧迫し、慢性的な重だるさや鋭い痛みを引き起こす真犯人です。必要なのは、癒着した組織を物理的に解き放ち、元のスムーズな動きを取り戻させる事です。

2.ハイドロリリースとはどのような治療法なのか?
そこで登場した画期的な治療法が**「ハイドロリリース(筋膜リリース注射)」**です。「ハイドロ(Hydro)」は水、「リリース(Release)」は解放を意味します。
超音波(エコー)がもたらした革命
ハイドロリリースは高解像度の超音波(エコー)を使用します。
エコー画面を見ながら針を進めることで、ミリ単位で筋膜の状態を確認できます。「筋膜の癒着部位」をリアルタイムで捉え、そこにピンポイントで薬液(主に生理食塩水)を注入します。
癒着を「水圧」で剥がす
注入された薬液は、癒着してガチガチに固まった筋膜の間に入り込み、その水圧によって膜を優しく、かつ確実に剥がしていきます。 これが「リリース」です。 癒着が剥がれると、その場で「肩が軽くなった」「可動域が広がった」と実感される方が非常に多いのがこの治療の特徴です。
身体への負担が少ない
使用するのは主に生理食塩水などが中心であるため、副作用のリスクが極めて低く、高齢の方から現役世代まで安心して受けることができます。また、処置自体も数分で終わるため、日常生活への影響もほとんどありません。
3.やら整形外科での肩こり治療の流れ
当院では、単に注射を打つだけでなく、患者様一人ひとりの背景に合わせたアプローチを行っています。
① 医師による丁寧な診察
まずは、いつから、どのような時に、どこが痛むのかを詳しく伺います。肩こりといっても、原因は首の骨(頚椎)にある場合もあれば、肩甲骨の動きの悪さにある場合もあります。
② 身体所見のチェックとレントゲン撮影
触診によって筋肉の硬さや圧痛点を確認し、関節の可動域を測定します。さらに、レントゲン撮影によって、骨の変形や骨の間隔の狭まり、ストレートネックの状態などを客観的に評価します。
③ 総合的な診断
問診、身体所見、画像検査の結果を元に、「なぜ今の痛みが出ているのか」を総合的に判断します。ここで、重大な疾患が隠れていないかを厳密にスクリーニングします。
④ ハイドロリリース治療
診断に基づき、最も効果が高いと思われる部位にエコーガイド下でハイドロリリースを行います。モニターで筋膜が剥がれる様子を患者様と一緒に確認しながら進めることも可能です。
⑤ リハビリテーション(ストレッチ指導)
注射で「リセット」した状態を維持し、再発を防ぐための重要なステップです。専門の理学療法士が、患者様にあった、自宅でもできるストレッチ法を丁寧に指導します。
4.肩こりはどんな人になりやすいのか?
「なぜ私だけこんなに肩がこるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。肩こりになりやすい人には、共通した特徴があります。
デスクワーク・スマホ依存の方 人間の頭部は約5〜6kgあります。うつむき姿勢(スマホ首)になると、その数倍の負荷が首や肩の筋肉にかかり続けます。これが筋膜の癒着を招く最大の要因です。
正しい姿勢を心がけましょう!

<正しい姿勢>
5.放置してはいけない肩こり・首の痛みとは?
「たかが肩こり」と放置するのは禁物です。中には、命に関わる疾患や、早期の神経処置が必要なケースが隠れていることがあります。
・医療機関をすぐ受診すべきサイン
「いつもの肩こり」と自己判断せず、専門医によるレントゲンや神経学的検査を受けることは、健康を守るための第一歩です。
6.リハビリテーションを組み合わせて、ストレッチの指導を受けましょう
ハイドロリリースは非常に効果的な治療ですが、生活習慣や姿勢が以前のままであれば、やがて再び筋膜は癒着し、コリが再発してしまいます。
そこで欠かせないのがリハビリテーションです。
当院のリハビリでは、理学療法士が「なぜその場所の筋膜が固まったのか」を分析します。
こうした根本原因に対し、固まった筋肉を伸ばすストレッチや、弱っている筋肉を鍛えるエクササイズを組み合わせます。 ハイドロリリースで「動きやすくなった身体」を使って正しい動作をすることで、肩こりに悩まされない「根本から強い身体」へと作り変えていくのです。

7.まとめ;肩こりは“向き合えば変えられる症状”です
「この肩こりとは一生付き合っていくしかない」と諦めていた方へ。 エコーで見えるようになった筋膜の世界、そしてハイドロリリースという技術は、これまでの「耐えるしかなかった日々」を終わらせる可能性を秘めています。
肩こりは、あなたの身体が出している「これ以上無理をしないで」「生活習慣を見直して」という大切なサインです。そのサインを無視せず、一度専門的な医療機関の門を受診してみてください。
適切な診断、即効性のあるハイドロリリース、そして未来を守るリハビリテーション。これらを組み合わせることで、肩こりは必ず変えられる症状になります。 軽い肩で、健やかな毎日を取り戻しましょう。当院は「ハイドロリリース」で、その一歩を全力でサポートいたします。
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