皆さんこんにちは。
本日は当院が強化して取り組んでいる、「予防医学の重要性」について説明します。
先日、「クロスFM」に出演し、予防医学の大切さについて話をさせていただきました。
その後さまざまなメディアから、「予防医学がなぜ重要なのか」の取材をうけました!
これからの社会、予防医学が注目されていく証拠だと思いました。
<当院院長は予防医学普及協会会員です>
現在、医学の世界は徐々に治療から予防医学へシフトしてきており、大病になる前、いわゆる未病の段階から対策をする事が重要だと言われています。
では、整形外科の領域でいう予防医学にはどのようなものがあるでしょうか?
みなさんご存知の骨粗しょう症、フレイル、ロコモティブシンドロームなどの概念は徐々に浸透しつつありますが、一般的にはまだまだ浸透していないというのが率直な感想です。
特に高齢の方の健康を維持し、生活の質を向上させるためには、予防医学が極めて重要です。
なぜなら高齢の方にはさまざまな健康リスクが存在し、それらを未然に防ぐための取り組みが必要だからです。
⚫️本記事を読むことで、
1・高齢者向けの予防医学の重要性
2・具体的な疾患(フレイル、ロコモティブシンドローム、骨粗鬆症など)
3・実際に予防するための実践方法
などがわかります。
これからのトレンドとなる予防医学について一緒に学びましょう!
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🔴なぜ高齢者にとって予防が重要なのか?
1.健康寿命をのばすため!
高齢になると共に身体的な変化や機能の低下が進みますが、これらを予防することで健康寿命を延ばすことができます。健康な状態で自立した生活を送るためには、病気や障害の予防が不可欠です。
脳卒中などの脳血管疾患で寝たきりになる方は、全体の16.6%程度と言われておりますが、骨折や脊椎疾患、関節疾患など、いわゆる整形外科領域の疾患で寝たきりになる方は、実に全体の約25%、4分の1を占めます。
にもかかわらず、整形外科領域における予防医学はあまり浸透しておらず、残念ながら骨折してから初めて骨粗しょう症が発覚するというケースも少なくありません。
当院では、
「何歳になっても自分の足で歩けること、外出やスポーツ、旅行など好きなことをいつまでも続けられること」
が大切だと考えています!
2.高齢特有の病気や障害の予防!
高齢者には骨粗しょう症、フレイル、ロコモティブシンドロームなど特有の疾患や症候群があります。
これらの病気は予防を重視することで発症や進行を遅らせることが可能です。
3.医療費の削減と健康経済学の観点から!
高齢の方の医療費は全体の負担が大きいため、病気の予防によって医療費を削減することは社会的な健康経済学的観点からも重要です。
これからは国の財政の問題もあり、医療費は上がっていくことが予想されます。
健康を維持するための早期の予防策により、後の医療費を大幅に減少させることができます。
🔴高齢者の主な健康リスクと予防方法
1・ 骨粗しょう症
骨粗しょう症は骨の密度が低下し、骨の強度が弱くなる状態です。高齢者に多く見られ、転倒などの事故による骨折のリスクを増加させます。
昨今のコロナ禍で、外出を控える高齢者が大変増えています。自宅に引きこもり、テレビばかりを見ていると、筋力が低下し骨密度も下がってしまします。
筋力が弱く、骨密度が下がれば転倒リスクは増大し、万が一転倒した際の骨折・寝たきりリスクも上がることは言うまでもありません。
ではどうすれば良いのでしょうか?まずは骨粗しょう症を専門とする医療機関で骨密度検査を受けることをお勧めします!
現在骨密度の測定方法は超音波法、レントゲンを使用したDXA法などがありますが、検診などで行う超音波法では精度が低く、日本骨粗鬆症学会は、骨粗しょう症の検査はDXA法を推奨しています。
当院は開院当初よりDXA装置を導入し、希望される方への検査を行っています。
5分程度で終わる検査で、身体的苦痛もなく、保険適応となりますので(1割負担;450円、2割負担:900円、3割負担:1350円)、お気軽に受けていただくことが可能です。
50歳以上の女性、70歳以上の男性は一度受けてみてください!今後の人生が変わる可能性があります!
予防方法:
2・フレイル
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。
年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、これによって健康に過ごせていた状態から、生活を送るために支援を受けなければならない要介護状態に変化していきます。
フレイルは大きく3つの種類に分かれます。
一つ目が「身体的フレイル」です。運動器の障害で移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム)、筋肉が衰えたり(サルコペニア)するなどが代表的な例です。
高齢期になると、筋力は自然と低下していきます。
二つ目が「精神的フレイル」です。高齢になり、定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態などを指します。
三つ目が「社会的フレイル」です。加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することで生じる、独居や経済的困窮の状態などをいいます。
これら3つのフレイルが連鎖していくことで、老い(自立度の低下)は急速に進みます。
この連鎖はどこが入り口になるかは、その人次第。老いとは、決して身体の問題だけではないのです。
ただし、フレイルには「可逆性」という特性もあります!
自分の状態を知り、予防に取り組むことでその進行を緩やかにし、健康に過ごせていた状態に戻すことができます!
当院ではフレイルを改善させるようにさまざまな取り組みをおこなっています!!
予防方法:
3・ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
ロコモティブシンドローム「ロコモともいいます」とは、立ったり歩いたりする身体能力が低下した状態のことを言います。
ロコモが進行すると、将来要介護や寝たきりになってしまう可能性があるため、若い頃から生活習慣や適切な運動によって、ロコモを予防することが大切です。
当院では患者さんと共にロコモをいかに防いでいくかを考えて、その人に合ったプログラムを考えています!
高齢化社会を迎えている日本では、平均寿命は約80歳に達し、運動器の障害によって、日常生活に支援や介護が必要となる方が増加しています。
平成25年の介護が必要となった主な原因の「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」、「関節疾患」を運動器の障害としてまとめると全体の36.1%で、一番多い原因となります!!
また、要支援1では52.1%、要支援2では49.6%と約半分を占めており、運動器の障害をきっかけに日常生活の自立度が下がりやすいことがわかります。
脳血管障害で身体に麻痺などの運動器の障害が生じることも多く、介護の原因に運動器の障害が大きく関与していることが伺えます。
平均寿命が延びている分だけ、運動器の健康を長く保ち続ける必要があり、国民一人一人が運動器の健康維持に対して関心を向け、ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が推奨されています!
予防方法:
⭕️まとめ
高齢者における予防医学は、健康寿命を延ばし、生活の質を向上させるための重要なアプローチです。
特に骨粗しょう症、フレイル、ロコモティブシンドロームなどの高齢特有の健康リスクに対しては、適切な栄養摂取、運動、定期的な健康チェックなどの予防策が効果的です。
高齢者の方自身とその家族、医療従事者、地域社会全体が協力して、予防医学の理念を実践し、健康で楽しく充実した高齢期を過ごすための基盤を、当院と共に築き上げましょう!
何かご不明なこと、ご相談などがありましたらいつでもどうぞ!
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