「かかと落とし」で骨密度があがる!?

皆さんこんにちは。

 

皆さんは最近テレビでも紹介された運動で「かかと落とし」はご存じでしょうか?

患者さんに質問されることも多いので、今回は「かかと落とし」について説明させていただきます!

 

● 「かかと落とし」とは?

「かかと落とし」とは、格闘技で足を大きく振り上げて落とす技ではなく、つま先立ちの姿勢から踵をストンと落とすだけの簡単な運動です。

この「かかと落とし」が骨密度を上昇させ、健康寿命を延ばす可能性があるとして注目されています。

 

 

● かかと落としの効果は?

 

1)踵を落とした時の骨への刺激で、骨を破壊し血液へと吸収させる「破骨細胞」と、カルシウムなどを定着させて骨を作る「骨芽細胞」を活性化し、骨の代謝が促されます。

 

2)骨に負荷がかかることで、骨の主成分であるカルシウムが骨のベースであるコラーゲンに沈着し、骨の石灰化が進みます。その結果、丈夫な骨が作られます。

 

結果的にこの単純な運動で、骨密度を上げることができると考えられます!

 

そしてかかと落とし運動を行うことで、血糖値の低下がみられるようになってきました。

骨に衝撃を与えると、骨から作られる「オステオカルシン」というたんぱく質が分泌されます。このオステオカルシンが、すい臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあるとわかってきました。

 

また骨への衝撃で、脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」という物質が増えることがわかっています。このアディポネクチンは血管を拡張し、血流をよくする働きがあるため、コレステロール値や、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。

 

 

●「かかと落とし」のやり方

 

椅子の背もたれや、テーブルなどに手を添えてつま先を上げ、その姿勢をキープしてから踵をストンと落とします。

これを1日30回程度行うことで効果が期待できるとのことです。

 

 

また「ながらかかと落とし」を行うと無理なく続けることができます。

 

・テレビを見ながら

・電車やバスの手すりにつかまりながら

・台所で食事の支度をしながら 

 

腰の痛い人は少し曲げて行ったり、膝の痛い人は踵を下すときに少し膝を曲げながら行うと負担を軽減できます。

勢いよくやったり、回数をやりすぎてしまったりで、踵に痛みを出してしまう方がたまにいらっしゃるので、無理のない範囲で行うようにしましょう。

 

*膝、腰などが悪い方、骨粗鬆症の診断を受けている方は無理のない範囲で行い、運動前は医師へご相談ください

 

 

●運動に加えて、食事にも気を使うことで効率upが期待できます!

 

骨を丈夫にするためにはカルシウムが真っ先に思い浮かぶと思います。

しかし、カルシウムは吸収率が悪いとされる栄養素なのです。

吸収率が一番良いとされている乳製品でも含有量の50%程度、小魚は30%程度、野菜では小松菜に多く含まれますが20%程度しか吸収されないとされています。

そこで、レモンやお酢に含まれるクエン酸を一緒に摂取することで、カルシウムの吸収を行いやすくしてくれます。

またキノコ類に多く含まれるビタミンDもカルシウムの働きをサポートし、骨を丈夫にしてくれるので、是非一緒に食べてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

なにかわからないことがありましたらいつでもご相談ください!

2022年06月23日