「熱中症」に注意しましょう!

こんにちは、理学療法士の山口です。

 

5月も中旬となり、徐々に暑くなってきましたね。

そろそろ気にしたほうが良いのが、熱中症です。

まだ早いと思われるかもしれませんが、なぜこの時期から気にした方がいいのかを最後にお伝えしますね!

 

まず熱中症とは、暑い環境下で生じる健康被害の総称のことで、熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病の4つに分類されます。

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熱けいれん:

大量の汗をかいた後に水ばかりを飲むと、ナトリウムやミネラル不足となり、痛みを伴う痙攣が四肢や体幹に現れます。(全身の痙攣は重症)

 

熱失神:

直射日光の野外や高音多湿の屋内で活動すると、血管が拡張され血圧が低下することで、めまいや失神を起こしやすくなります。

 

熱疲労:

脱水症状が出現し、弱くて速い脈、皮膚の色が青白くなる、大量の汗が出るなどして、脱力感や倦怠感、頭痛、吐き気などの自覚症状が見られます。

 

熱射病:

体温の調節が出来なくなり、40度以上の高体温といった症状がみられ、高体温が続くと中枢神経や心臓、肝臓、腎臓などの臓器に致命的な障害が起こり、死亡するケースもあります。症状として、うまく身体が動かせない、汗をかかなくなる、全身が痙攣を起こす、意識がなくなるなどが見られます。

 

 

熱中症の対処としては、まず意識障害の有無を確認し、意識があれば涼しい環境で休ませ、水分補給を行います。

意識がない場合はすぐに救急車を呼びましょう。

また意識があっても自分で水分補給ができない、水分・塩分補給をしても症状が改善しない場合はすぐに病院へ行きましょう。

詳しくは、下の画像を参考にしてみて下さい!

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では、なぜ熱中症は起きてしまうのでしょうか?

 

まず私たちの身体は約60%が水分でできています。

その水分は栄養素や老廃物を運んだり、体温調節などに関わっています。

汗をかくと水分以外にもナトリウムイオンやカリウムイオンなどといった電解質が出て行ってしまいます。この電解質は筋肉や神経を働かせるために必要なもので、足りなくなると熱中症の症状に繋がってしまいます。

 

私たちの身体は体重の2%が減少するだけでも熱中症の症状の一つでもある脱水になっている恐れがあります。例えば50kgの人が運動の前後で体重が1kg減っている場合脱水になっている可能性があります。汗をたくさんかく夏や運動をする方は気を付けましょう。

 

そこで、簡単に脱水になっていないか確認できる方法があります。

それは尿の色です!濃い茶色の場合は脱水になっている可能性があります!!

普段と違わないか下の画像で確認してみましょう。

 

また汗をかいたからといって水だけを摂ってしまうと、身体の中の電解質がどんどん薄められてしまい、熱中症を助長してしまうかもしれません。スポーツドリンクや経口補水液を摂ることがおすすめです。

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さて、なぜこの時期から熱中症の話をしたかと言うと、熱中症にならないためにもまずは身体が暑さに慣れることが大切だからです。これを暑熱順化と言います。

暑熱順化ができていないと上手く熱放散をできずに、熱中症になりやすくなります。暑熱順化できていない時は粒のような汗をかきやすいです。

だいたい1週間ほどで暑熱順化していくのですが、涼しい環境で過ごすと3日ほどでまた暑さに慣れてない身体に戻ってしまいます。特に梅雨明けやお盆休み明け(帰省などで涼しい家の中で過ごすことが関係しているともいわれています)に熱中症になる人が増える傾向にあるようです。

 

この時期くらいからウォーキングやジョギングなどを行い、少しずつ身体を暑さに慣れさせていきましょう!

もし身体に痛みがある場合は、先生や理学療法士に相談してみてください。

では、熱中症に気をつけて、暑い夏を乗り切りましょう!!

 

※1,2,3画像出典先:熱中症予防声かけプロジェクト

2022年05月29日